中学生の平均身長は、男子が中1で約153cm、中3で約166cm、女子が中1で約152cm、中3で約157cmと、3年間で大きく変化します。
この時期は第二次性徴期と重なり、男女で成長パターンが異なるため、お子さんの身長が平均と比べてどうなのか気になる保護者の方も多いでしょう。
特に男子は中学3年間で約13cm、女子は約5cmの身長増加が見られ、個人差も大きい時期です。
体重についても、男子は中1の約44kgから中3の約54kg、女子は中1の約44kgから中3の約50kgへと増加し、身長との適正なバランスを保つことが健全な成長の指標となります。
文部科学省の学校保健統計調査のデータを基に、各学年の標準値や成長の特徴を理解することで、お子さんの成長を適切にサポートできるでしょう。
- 中学1年生から3年生までの男女別平均身長・体重の詳細データ
- 身長が止まるサインと成長期の終わりを見極める方法
- 身長が伸びない主な原因と医学的な要因の可能性
- 中学3年生からでも実践できる身長を伸ばす具体的な方法
- BMIを使った適正体重の判断基準と健康管理のポイント
ただし、成長には個人差があり、遺伝的要因が約80%を占めるため、平均値はあくまで目安として捉えることが大切です。
この記事では、中学生の平均身長・体重のデータとともに、成長期の特徴や身長を伸ばすための生活習慣について詳しく解説していきます。
中学1/2/3年生(13歳/14歳/15歳)の平均身長は?女子の背の長さの目安は約158cm
中学生女子の平均身長は、中1で約152cm、中2で約155cm、中3で約157cmと学年が上がるにつれて伸びていきます。
学年 | 年齢 | 平均身長(cm) |
---|---|---|
中学1年生 | 12歳 | 152.3 |
中学2年生 | 13歳 | 155.0 |
中学3年生 | 14歳 | 156.4 |
※年齢は4月1日現在の満年齢
文部科学省の学校保健統計調査によると、この時期の女子は年間約1〜3cmずつ成長することが示されています。
13歳から15歳にかけては成長期の後半にあたり、身長の伸びが緩やかになる傾向があるでしょう。
個人差はありますが、多くの女子中学生は中学3年間で約5〜6cm程度身長が伸びます。
保護者の方は、お子さんの身長が標準偏差(SD)の範囲内であれば、過度に心配する必要はありません。
中学生女子の身長発育を正しく理解することで、適切な成長サポートが可能になるでしょう。
中学1/2/3年生(13歳/14歳/15歳)女子の平均体重は約51kg
中学生女子の平均体重は、中1で約44kg、中2で約47kg、中3で約50kgと推移します。
年齢 | 学年 | 平均身長 | 平均体重 |
---|---|---|---|
13歳 | 中学1年生 | 155.0cm | 47.5kg |
14歳 | 中学2年生 | 156.4cm | 49.6kg |
15歳 | 中学3年生 | 157.1cm | 51.1kg |
身長の伸びに伴って体重も増加するため、これは自然な成長過程といえるでしょう。
文部科学省監修の「児童生徒の健康診断マニュアル」に基づく身長別標準体重の計算式は以下の通りです。
身長別標準体重一覧表
上記の計算式を使用して算出した身長別の標準体重は以下の通りです。
身長 | 標準体重 |
---|---|
140cm | 37.5kg |
145cm | 40.8kg |
150cm | 44.0kg |
155cm | 47.3kg |
160cm | 50.6kg |
165cm | 53.9kg |
数値の根拠
標準体重(kg)= 係数A × 身長(cm)- 係数B
年齢別係数(女子)
- 13歳:A = 0.655、B = 54.234
- 14歳:A = 0.594、B = 43.264
- 15歳:A = 0.560、B = 37.002
思春期特有の体型変化により、体重増加を気にする女子も多いですが、成長期には適切な栄養摂取が欠かせません。
過度なダイエットは骨端線の閉鎖を早め、身長の伸びを妨げる可能性があるため注意が必要です。
中学1/2/3年生(13歳/14歳/15歳)男子の平均身長は約169cm
中学生男子の平均身長は、中1で約154.0cm、中2で約161.1cm、中3で約166.1cmと急激に伸びていきます。
学年 | 年齢 | 平均身長 | 前年からの成長 |
---|---|---|---|
中学1年生 | 12歳 | 154.0 cm | 7.8 cm アップ |
中学2年生 | 13歳 | 161.1 cm | 6.9 cm アップ |
中学3年生 | 14歳 | 166.1 cm | 5.0 cm アップ |
※年齢は4月1日現在の満年齢
男子は女子より成長期が遅く始まるため、中学時代に大きく身長が伸びる特徴があるでしょう。
年間の伸び率を見ると、中1から中2にかけて約7cm、中2から中3にかけて約6cmと、女子を上回るペースで成長します。
全国の学校保健統計によれば、男子の成長スパートは14歳前後にピークを迎えることが多いです。
個人差により中3でも身長が伸び続ける生徒も多く、高校生になってからさらに成長する可能性も十分あります。
男子中学生の身長発育は女子より変動が大きいため、長期的な視点で見守ることが大切でしょう。
中学1/2/3年生(13歳/14歳/15歳)男子の平均体重は大体58kg程度
文部科学省の学校保健統計調査(令和6年度確定値)によると、中学生男子の平均身長・体重は以下のとおりです。
年齢 | 学年 | 平均身長 | 平均体重 |
---|---|---|---|
13歳 | 中学1年生 | 161.1cm | 50.5kg |
14歳 | 中学2年生 | 166.1cm | 55.0kg |
15歳 | 中学3年生 | 168.6cm | 59.0kg |
中学生男子の平均体重は、中1で約50.5kg、中2で約55.0kg、中3で約59.0kgと学年ごとに増加していきます。
身長の急激な伸びに対応して筋肉量も増えるため、体重増加は健全な成長の証といえるでしょう。
日本小児内分泌学会の日本人小児の体格評価が策定した基準により、中学生男子の身長別標準体重を算出した結果は以下を参考にしてください。
身長 | 標準体重(目安) | 該当年齢の傾向 |
---|---|---|
150cm | 約42.4kg | 13歳前後 |
155cm | 約45.8kg | 13歳 |
160cm | 約49.4kg | 13-14歳 |
165cm | 約53.2kg | 14歳 |
170cm | 約57.2kg | 14-15歳 |
175cm | 約61.4kg | 15歳以上 |
数値の根拠
標準体重(kg)= -0.000310205X³ + 0.151159X² – 23.6303X + 1231.04
(X = 身長[cm])
身長に対して体重が適正かどうか判断するならBMIを計算しよう
BMIは体重(kg)を身長(m)の2乗で割ることで算出でき、中学生の健康状態を客観的に評価できる指標です。
BMI = 体重÷身長^2
例えば、体重49kg、身長160cmの高校生の場合のBMIは19.14と算出されます。
日本小児科学会では、中学生のBMI標準値を男女別・年齢別に設定しており、これを参考にすることで適正体重かどうか判断できます。
例えば15歳男子で身長165cm、体重55kgの場合、BMIは20.2となり標準範囲内といえるでしょう。
BMIと肥満度の判定基準を以下の表にまとめました。
BMI値 | 判定 | 健康への影響 |
---|---|---|
18.5未満 | やせ | 栄養不足による成長障害のリスク |
18.5〜24.9 | 標準 | 健康的な成長が期待できる |
25.0〜29.9 | 肥満度1 | 生活習慣病のリスクが上昇 |
30.0以上 | 肥満度2以上 | 成長ホルモン分泌への悪影響 |
ただし成長期の中学生は体組成が急激に変化するため、BMIだけでなく成長曲線も併せて確認することが重要です。
保健室や小児科で定期的に測定を行い、極端な変化がないか確認することで、健康的な成長をサポートできるでしょう。
中学生で身長が止まるサインとは?伸びるか伸びないかわかる方法
中学生の身長が止まり始めるサインには、第二次性徴の進行状況や年間成長率の変化など複数の指標があります。
骨端線の閉鎖が始まると身長の伸びは鈍化し、やがて止まることになるでしょう。
男女で成長パターンが異なるため、それぞれの特徴を理解することが重要です。
レントゲン検査で骨年齢を確認すれば、より正確な成長予測が可能になります。
保護者は子どもの成長記録を定期的につけることで、成長の変化を早期に把握できるでしょう。
中学生女子の身長伸び率のピークは初潮時
女子の身長成長は初潮の約1年前にピークを迎え、初潮後は急激に伸び率が低下します。
統計データによると、初潮前の1年間で約7〜8cm伸びるのに対し、初潮後2年間では約3〜4cm程度の伸びにとどまるでしょう。
日本人女子の平均初潮年齢は12歳前後であり、多くの場合中学1年生頃に経験します。
初潮から2〜3年後には骨端線がほぼ閉鎖し、身長の伸びは止まります。
中3女子で初潮から2年以上経過している場合、今後の大幅な身長増加は期待しにくいといえるでしょう。
中学生男子は声変わりが身長伸びの止まるサイン
男子の声変わりは思春期後期のサインであり、身長成長のピークを過ぎたことを示す指標となります。
声変わりが始まると、その後1〜2年で身長の伸びは緩やかになり、やがて止まるでしょう。
多くの男子は中2〜中3で声変わりを経験しますが、個人差が大きいのも特徴です。
声変わり以外にも、ひげが生え始める、体毛が濃くなるなどの変化も成長終盤のサインといえます。
ただし男子は女子より成長期が長く続くため、高校生になってからも数cm伸びる可能性は残されています。
男女共に年間成長率が1cm以下になれば身長の伸びが大幅に鈍化
年間の身長増加が1cm未満になると、骨端線の閉鎖が進行している可能性が高くなります。
成長期のピーク時には年間5〜10cm伸びていた身長も、終盤には月単位での変化がほとんど見られなくなるでしょう。
3ヶ月ごとに身長を測定し、変化を記録することで成長の鈍化を客観的に把握できます。
爪の伸びが遅くなる、靴のサイズが変わらなくなるといった変化も、成長停止のサインとして参考になります。
中学3年生で年間成長率が1cm以下の場合、今後の大幅な身長増加は期待しにくいため、現在の身長を受け入れる心の準備も必要でしょう。
中学生で身長が伸びない理由とは?
中学生の身長が伸びない原因は、遺伝的要因から生活習慣、医学的疾患まで多岐にわたります。
成長期にもかかわらず身長が伸びない場合、複数の要因が重なっている可能性があるでしょう。
年齢別の標準成長曲線から大きく外れている場合は、専門医への相談も検討すべきです。
適切な原因究明により、改善可能な要因については対策を講じることができます。
中学生の成長には個人差があることを理解しつつ、改善できる部分から取り組むことが大切でしょう。
最も多い原因は遺伝・体質的要因
身長の約80%は遺伝的要因で決まるとされ、両親の身長から予測身長を算出することができます。
男子の予測身長は(父の身長+母の身長+13)÷2、女子は(父の身長+母の身長−13)÷2で計算可能です。
家族性低身長の場合、医学的な異常はなくても平均より低い身長になることがあるでしょう。
体質的思春期遅発症では、成長のタイミングが遅れるだけで最終身長は正常範囲に達します。
遺伝的要因は変えられませんが、残り20%の環境要因を最適化することで、遺伝的ポテンシャルを最大限引き出すことは可能でしょう。
肥満体は身長の伸びを妨げる
肥満により成長ホルモンの分泌が低下し、骨端線の早期閉鎖を招く可能性があります。
脂肪細胞から分泌されるレプチンが過剰になると、思春期が早く始まり、結果的に成長期間が短くなるでしょう。
BMIが25以上の中学生は、標準体重の生徒と比べて最終身長が低くなる傾向があります。
適度な運動と食事管理により体重をコントロールすることで、正常な成長を促すことができます。
肥満解消は身長だけでなく、将来の健康リスク軽減にもつながる重要な取り組みといえるでしょう。
夜更かしはNG!メラトニン分泌を減少させてしまう
深夜までのスマートフォン使用や夜更かしは、成長ホルモンの分泌を妨げる大きな要因となります。
成長ホルモンは午後10時から午前2時の間に最も多く分泌されるため、この時間帯の睡眠が重要でしょう。
ブルーライトはメラトニンの分泌を抑制し、睡眠の質を低下させます。
中学生には最低8時間以上の睡眠が推奨されており、就寝2時間前からはデジタル機器の使用を控えることが理想的です。
規則正しい睡眠習慣を確立することで、成長ホルモンの分泌を最適化できるでしょう。
過度なダイエットをすると身体発達の栄養不足を引き起こす
成長期の過度な食事制限は、骨や筋肉の発達に必要な栄養素が不足し、身長の伸びを阻害します。
特にタンパク質、カルシウム、ビタミンD、亜鉛などの不足は、成長に直接的な悪影響を与えるでしょう。
中学生女子に多い極端なダイエットは、月経不順や骨密度低下のリスクも高めます。
1日3食バランスよく食べることが、健全な成長の基本となります。
体重管理が必要な場合でも、栄養バランスを保ちながら運動量を増やすアプローチが賢明でしょう。
医学的疾患による要因の可能性もある
成長ホルモン分泌不全症、甲状腺機能低下症、ターナー症候群などの疾患が身長の伸びを妨げることがあります。
これらの疾患は、早期発見により適切な治療を受ければ改善可能な場合が多いでしょう。
年間成長率が3cm未満、または成長曲線から大きく外れている場合は、小児科での精密検査が推奨されます。
血液検査やレントゲン検査により、成長障害の原因を特定することができます。
医学的な問題が見つかった場合、成長ホルモン治療などの選択肢があるため、早めの受診が重要といえるでしょう。
身長が平均より低い中学3年生でも身長を伸ばす方法を解説
中学3年生でも適切な生活習慣の改善により、残された成長期間を最大限活用することができます。
男子は高校生になってからも成長が続く可能性があり、女子でも骨端線が完全に閉じていなければ若干の伸びが期待できるでしょう。
成長を促進する要素を総合的に取り入れることで、遺伝的な身長ポテンシャルに近づくことが可能です。
焦らず継続的に取り組むことが、成果につながる鍵となります。
中3からでも実践できる具体的な方法を理解し、日常生活に組み込んでいくことが大切でしょう。
最低8時間以上の質が高い睡眠を確保する
成長ホルモンの分泌を最大化するには、午後10時から午前6時までの8時間睡眠が理想的です。
寝室は暗く静かな環境に整え、室温は18〜22度に保つことで深い眠りが得られるでしょう。
就寝前の入浴は体温調節を助け、入眠をスムーズにします。
週末の寝だめではなく、毎日一定の時間に就寝・起床する習慣が重要です。
受験勉強との両立が難しい場合でも、睡眠時間を削ることは成長にとって逆効果となるため、効率的な学習計画を立てることが賢明でしょう。
タンパク質やカルシウムなどの栄養を適切に摂取
成長期の中学生には、体重1kgあたり1.5〜2gのタンパク質摂取が推奨されています。
肉類、魚類、大豆製品、卵などを毎食取り入れることで、必要量を確保できるでしょう。
カルシウムは1日800〜1000mg、ビタミンDは5.5μgが目安となります。
成長に必要な栄養素と推奨食品を以下にまとめました。
栄養素 | 1日の推奨量 | 多く含む食品 | 成長への効果 |
---|---|---|---|
タンパク質 | 60〜80g | 鶏肉、魚、大豆、卵 | 骨・筋肉の材料 |
カルシウム | 800〜1000mg | 牛乳、小魚、緑黄色野菜 | 骨の形成・強化 |
ビタミンD | 5.5μg | サケ、サンマ、きのこ類 | カルシウム吸収促進 |
亜鉛 | 8〜10mg | 牡蠣、牛肉、ナッツ類 | 成長ホルモン分泌促進 |
マグネシウム | 290〜360mg | 海藻、ナッツ、全粒穀物 | 骨の健康維持 |
朝食を抜かず、間食も栄養価の高いものを選ぶことで、1日を通じて安定した栄養供給が可能になります。
偏食がある場合は、調理方法を工夫して少しずつ食べられる食品を増やしていくことが、バランスの良い栄養摂取につながるでしょう。
ジョギングなどの縦方向の負荷をかける運動をしよう
ジャンプ運動やランニングなど、骨に縦方向の刺激を与える運動は成長板を活性化させます。
バスケットボールやバレーボールなどの球技は、楽しみながら成長を促進できる理想的なスポーツでしょう。
1日30分以上の中強度運動を週5回以上行うことで、成長ホルモンの分泌が促進されます。
過度な筋力トレーニングは逆効果となるため、自重を使った軽い運動から始めることが推奨されます。
運動後のストレッチは柔軟性を高め、正しい姿勢の維持にも役立つでしょう。
生活習慣の大幅な改善が難しいならサプリメント摂取も選択肢
食事だけで必要な栄養素を摂取することが困難な場合、成長期向けのサプリメントの活用も検討できます。
アルギニン、オルニチン、グリシンなどのアミノ酸は、成長ホルモンの分泌をサポートする可能性があるでしょう。
ただしサプリメントは食事の補助として位置づけ、基本的な生活習慣の改善と併用することが重要です。
製品選びでは、安全性が確認された信頼できるメーカーのものを選択すべきでしょう。
過剰摂取は逆効果となる可能性があるため、推奨用量を守りながら、3ヶ月程度継続して効果を確認することが賢明です。